たとえこれが、何かの罠だったとしても。
「楓お嬢様、もう8時ですよ。起きてますか?」

声を掛けるも返事は無い。

「楓お嬢様?…失礼しますよ」

部屋に入ると、楓はまだベッドで寝ていた。

こんな時間まで寝ているなんて、珍しいな…。

「楓、もう8時だぞ…って」

近づくと、顔を歪ませて苦しそうにしている。

慌てて額に手をやると、かなり熱かった。

体温計を探し測ってみると、39度を超えていた。

「熱出してるじゃねぇか!」

急いで旦那様の元へ行き、楓の様子を伝える。

「何!?楓が熱!医者を呼ぼう!」

そうして、急ピッチで呼んだ医者に診察してもらう。
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