たとえこれが、何かの罠だったとしても。
「それに、塩と砂糖間違えてるもん」

「はあ!?…うわ、ほんとだ。マズ!…俺、ほんとダメだよな」

「そんなことないよ。伊吹が私のために作ってくれたんだもん。嬉しい!」

「楓…」

伊吹は、欠点なんてないハイスペックな人だと思っていた。

でも実は、料理は苦手なんだよね。

以前一緒に料理した時も、手を切りそうでハラハラした。

「でも、気をつけてよね?私の大切な人の手、傷つけないでよ…」

「っ!ほんとおまえは…」

突然上を向かされ、キスをされる。

触れるだけのキスから、次第に激しくなっていきー。
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