たとえこれが、何かの罠だったとしても。
鋼の口元にスプーンを近づけた瞬間、横から伊吹さんが食べてしまった。

「あっま!」

グラスを手に取り、急いでアイスコーヒーを口に含んでいる。

どうして食べたんだろう?

「伊吹さん、それは良くないだろ」

「俺のを横取りしやがって…」

鋼を不憫そうに見る櫂と、怒った顔で伊吹さんを睨みつける鋼。

そんなにこのケーキが食べたかったんだね、2人とも!

「鋼、はい、あーん」

「ん」
< 37 / 220 >

この作品をシェア

pagetop