たとえこれが、何かの罠だったとしても。
結局、また伊吹さんが食べてしまった。

「伊吹さん、大人げないですね…」

「はい?私は執事として、楓お嬢様を守っただけです」

「執事として、ね…」

私には、櫂と伊吹さんが言っていることがよく分からなかった。

「楓、気づいてる?これ、間接キスよ」

間接、キス……。

胡桃の一言に、顔が一気に赤くなる。

「か、間接キス!?」

ということは…。

私、伊吹さんと間接キスしちゃったってこと!?

でも、なんでだろう。

不思議と、伊吹さんと間接キスするの、嫌じゃなかった…。

むしろ、ちょっと嬉…。

って、何考えてるの私!?

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