たとえこれが、何かの罠だったとしても。
「ちょっと楓。何一人で百面相してるのよ?」

「いや、あはは…」

笑って誤魔化すしない私だった。



「おいしかったね!また行こうね」

みんなでカフェを出て通りを歩いていると。

「おまえが、西園寺楓か?」

後ろを振り向くと、いかにも怪しい風貌をした男たちが立っている。

でも、その顔ぶれには覚えがない。

知り合いでもないのに、どうして私の名前を知ってるんだろう…。

怖くなって固まっていると、伊吹さんが私を庇うようにして立っていた。

「痛い目見たくなかったら、さっさとその女をよこせ!」

腕を掴まれ、鳥肌が立つ。

いや…。触らないで!

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