たとえこれが、何かの罠だったとしても。
「かえで、イルカみたい〜!」

「確かイルカショーがあったな。今日は父さんたちいないから、俺に頼れよ?」

「うんっ」

とても幸せだった。

たくさんのイルカが織り成すイルカショーはとても魅力的で。

ペンギンやアザラシ、ジンベイザメも見た。

とても大きくて、でもすごく可愛くて、終始はしゃいでいたと思う。

最後に売店にも寄った。

たくさんのぬいぐるみに目を奪われて、お兄ちゃんとはぐれてしまい……。

知らないおじさんに連れて行かれそうになったとき。

「俺の妹に触るな!」
< 49 / 220 >

この作品をシェア

pagetop