たとえこれが、何かの罠だったとしても。
「え、いいんですか?」

昨日、あんなに辛そうな顔をしていたのに。

私に気をつかっているのかな?

「昨日は、私が勝手に話しただけですから…。伊吹さんは無理に話さなくても……」

「いや。昨日の楓を見て、俺も話そうと思ったんだよ。楓は俺に、包み隠さず話してくれた。俺も、楓に全て話すよ」

伊吹さん……。

「ありがとうございます。伊吹さんのこと、もっと知りたいです!」

「そうか」

伊吹さんは、少し笑って話し始めたー。
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