たとえこれが、何かの罠だったとしても。

8.穏やかな日常

「みんな、おはよう!」

「おはよう。相変わらず、楓は元気いっぱいだな」

「この前は大丈夫だった?」

「うん、心配かけてごめんね」

あれから週が明けて、今日も学校。

詳しい話までは聞かれなかった。これもみんなの優しさだろう。

「そういえば、今日は英語の小テストあるわね」

「は!?」

胡桃の声に、櫂が叫び声をあげる。

「小テスト!?勉強してねぇよ…」

「どうせお前は、あること知っても勉強しないだろ」

項垂れている櫂に、鋼の容赦ない一言。

「そうだけど!俺にだって、心の準備ってもんがあるんだよ!」

「どんな準備よ」

「みんなには、俺の気持ちなんか分からないよ…。英語は日本人にはいらないのに」

「小テストくらい、どうにかなるだろ」

「鋼の言う通りね。普段から勉強していれば大丈夫よ」

「ぐっ…。俺は大丈夫じゃない!」

「学校着いたら、みんなで勉強しよう」

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