たとえこれが、何かの罠だったとしても。
みんな先生と目を合わせないように必死だ。

私が苦笑していると、バッチリ目があってしまったみたいデスネ、はい。

「楓、やらないか?」

「面倒なので絶対嫌です」

私がきっぱり断ったのが面白かったのか、どっと笑いが起きる。

「そんなことをいうやつは、強制的になってもらうか」

「そんなのありですか!?」

私は困っているのに、みんなはまた笑う。

酷いなぁ……。

「女子は楓に決まりな。じゃあ男子は…っと」

先生が言い終わる前に、男子全員の手が上がる。

さっきまで、みんなやる気なかったのにどうしたんだろう。

こんなにいるんだったら、私はやる必要ないよね!?
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