たとえこれが、何かの罠だったとしても。
「ハンバーグ。まあ、楓が作ったものならなんでも食べるけど」

「ハンバーグ、おいしいですよね〜!」

デミグラスソースで味付けしようかな。チーズインしてもおいしいよね!

「前みたいに、焦がさないようにな」

「もう!からかわないでくださいよ〜」

「ごめん、ごめん」

楽しそうに笑う伊吹さんに、またときめいてしまう。

意地悪、だけど好きだな……。

伊吹さんと話していたら、いつのまにか家に着いていた。あっという間だったな……。

楽しい時間が過ぎるのは、いつもあっという間だ。

「じゃあ、私はお風呂入ってきますね」

「ああ、行ってらっしゃい」

湯船につかりながら、弁当のおかずを考える。

少しのぼせてしまったのは秘密だ。
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