たとえこれが、何かの罠だったとしても。
「ま、楓は普段から勉強してるから、楷と違って安心ね」

「楓はいつも、1位をキープしてるもんな」

本当は、お兄ちゃんが継ぐはずだった西園寺グループを私が継ぎたいから、必死に勉強している。

「楓、いつも学年1位なのか!?」

伊吹さんは、私が学年1位だと知って心底驚いている様子だ。

私、そんなに頭悪そうに見えるのかな……。

軽く落ち込んでいると、

「いや、非の打ち所がないと思ってな…」

「それは伊吹さんですよ!」

顔も整っているし、聞いたところによれば都内の難関大学の経済学部らしい。

きっと頭もいいんだろうな……。
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