たとえこれが、何かの罠だったとしても。
「ったく、楷はどうしようもないな…」

「やる気出してくれるなら良かったよ!」

「俺、何時間でも勉強できるかもしれない」

「嘘をつけ」

胡桃の厳しい指摘に笑いがこぼれる。

櫂と胡桃は、本当に仲がいいな。

「私も行きたい。テスト期間で部活も休みだし」

「やった!楽しみだな〜」

これなら、みんなで楽しく勉強できるね!

「ちょっと待て、まだ誰も許可してないだろ」

と思ったら、伊吹さんに引き留められる。

「伊吹さんは反対ですか?」

「あたりまえだろ!なんでクソガキが楓の手作りケーキ
を食べるんだよ。勉強なら各自ですればいいだろ」

「家で勉強なんかするわけないですよ!」

「櫂、そこは威張るところじゃないぞ」
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