元令嬢は俺様御曹司に牙を剥く 〜最悪な運命の相手に執着されていたようです〜
「それ、私がもらってもいいですかね。剣崎酒造株式会社の剣崎冬梧ワイン輸入部門長」
「飛鳥!」
驚きと安心感から隣を見上げる。飛鳥は不敵に微笑み、私の腰を抱き寄せると持っていたワイングラスも私から奪い取る。
そのまま香りを嗅ぎ、一口。一連の行為が全部様になっていて、見惚れてしまった。
「本当に美味しい。個人的に取引させてもらいたいくらいですよ」
言い終えると、飛鳥は一気にグラスの中身を飲み干し、空になったグラスを無理やり冬梧さんに押し付けた。ふと飛鳥の足元に視線を落とすと、そのつま先がぴくぴくと動いていた。
「ああ、でもとても希少なワイン。きっと個人的な取引は無理でしょうね。それに私にはこんなに素敵な妻がおりますから。毎日彼女の魅力に酔ってますよ」
飛鳥は言い終えると、私の腰をがしっと抱いたまま踵を返す。そのままパーティー会場を出て行こうとする。会場の出口付近で「いいの?」と聞いた。
「大丈夫だ、どうせお開きになっても皆帰らない。最後までいたらストレスで胃に穴が開いちまうよ」
飛鳥はそう言いながら、ホテルの出入り口とは反対方向に歩みを進める。
「飛鳥、こっちじゃないって」
「今日、泊るから」
飛鳥はいつの間にかホテルのカードキーを手にしていた。書かれていた番号は、4001。四十階。つまり、最上階。
――最上階!?
飛鳥は驚く私を引きずるように、エレベーターホールまでさっさと連行した。
「飛鳥!」
驚きと安心感から隣を見上げる。飛鳥は不敵に微笑み、私の腰を抱き寄せると持っていたワイングラスも私から奪い取る。
そのまま香りを嗅ぎ、一口。一連の行為が全部様になっていて、見惚れてしまった。
「本当に美味しい。個人的に取引させてもらいたいくらいですよ」
言い終えると、飛鳥は一気にグラスの中身を飲み干し、空になったグラスを無理やり冬梧さんに押し付けた。ふと飛鳥の足元に視線を落とすと、そのつま先がぴくぴくと動いていた。
「ああ、でもとても希少なワイン。きっと個人的な取引は無理でしょうね。それに私にはこんなに素敵な妻がおりますから。毎日彼女の魅力に酔ってますよ」
飛鳥は言い終えると、私の腰をがしっと抱いたまま踵を返す。そのままパーティー会場を出て行こうとする。会場の出口付近で「いいの?」と聞いた。
「大丈夫だ、どうせお開きになっても皆帰らない。最後までいたらストレスで胃に穴が開いちまうよ」
飛鳥はそう言いながら、ホテルの出入り口とは反対方向に歩みを進める。
「飛鳥、こっちじゃないって」
「今日、泊るから」
飛鳥はいつの間にかホテルのカードキーを手にしていた。書かれていた番号は、4001。四十階。つまり、最上階。
――最上階!?
飛鳥は驚く私を引きずるように、エレベーターホールまでさっさと連行した。