元令嬢は俺様御曹司に牙を剥く 〜最悪な運命の相手に執着されていたようです〜
女性同士でショッピング!
豪華な朝食を頂いて運転手付きの高級車で部屋に戻った。恵美さんが「おかえりなさいませ」とにこやかに出迎えてくれた。
「ただいまです」
私が答えると、飛鳥はさっさと部屋に戻ってしまう。それからものの数秒で大きな荷物を持ってくると、再び玄関へ戻ってきた。
「悪いが、急用ができた。俺はこのまま出かけるから、昼と夕飯、明日の朝食は色春の分だけでいい」
飛鳥が言うと、恵美さんは「かしこまりました」と腰を折る。
「色春、明日の朝運転手を寄越すから」
「飛鳥は、仕事?」
「ああ、まあな」
飛鳥は靴を履き直しながら「寂しいのか?」なんて聞いてくる。
「寂しいわけないでしょ!」
「ふうん?」
ついカッとして言えば、飛鳥はいつものように挑発するよう笑った。けれど、本当は寂しい。少し前までは、こんな気持ちになんてならなかったのに。
「いってらっしゃい」
恵美さんと共に玄関で飛鳥を見送り、ため息をこぼした。
行っちゃった。日曜日なのに、一人きりだ。
「色春様は、寂しいのですね」
恵美さんに言われ、ドキリと胸が鳴った。顔を上げれば、にこやかに微笑む彼女がいた。そうだ、私は一人じゃない。
「恵美さん、私たちも出かけませんか?」