元令嬢は俺様御曹司に牙を剥く 〜最悪な運命の相手に執着されていたようです〜
恵美さんは令嬢時代の私しか知らないから、駅で切符を買っただけで驚いていた。
「色春様と電車でお出かけなんて。なんだか斬新ですね」
「そう?」
二人で電車に揺られながら、そんな会話をした。
「どちらまで行きますか?」
「寝間着を新調したくて。日常の服は飛鳥が選んでくれるんですけど、寝間着はスウェットのままで。これじゃあ、色気もないなあって」
言えば、恵美さんはクスクスと笑った。
「色春様は、飛鳥様が大好きでらっしゃいますね」
「え!?」
そういうつもりで言ったわけではないが、確かに飛鳥のことを意識していなければ寝間着なんてどれでもいいのだと気づく。かぁぁぁと急激に頬が火照ってしまったが、そんな私を見て恵美さんはクスクスと笑った。
大きなショッピングモールのある駅で降りる。恵美さんと私は、さっそく婦人服売り場へと向かった。
以前はもっぱらファストファッションの店にしか入らなかったが、今日はいつもよりは少し高いブティックに入った。店内を見ながら、可愛い寝間着を探す。
「色春様、こちらはいかがですか?」
恵美さんが手に持っていたのは、透け感のあるネグリジェだ。
「恵美さん、さすがにこれは……」
「そうですか? 飛鳥様と素敵な一夜をお過ごしになるのなら、こちらは最適だと――」
「そういうのはいいですから! 普通の! 普通の探しましょう!」
昨夜の情熱的な飛鳥のキスを思い出してしまい、顔が熱くなる。慌てて言うと、恵美さんはしぶしぶそれを棚に戻してくれた。
結局、もこもこ生地の、淡いピンクと白色の縞模様のパジャマを購入した。上はパーカー、下はショートパンツだ。今までグレーのスウェットしか持っていなかったから、これでもだいぶ恥ずかしい。
「可愛らしいですね。きっと飛鳥様もお喜びになりますよ」
「べ、別にそういうのいいですから!」
ニコニコしながら言う恵美さんに、思わず返した。
「色春様と電車でお出かけなんて。なんだか斬新ですね」
「そう?」
二人で電車に揺られながら、そんな会話をした。
「どちらまで行きますか?」
「寝間着を新調したくて。日常の服は飛鳥が選んでくれるんですけど、寝間着はスウェットのままで。これじゃあ、色気もないなあって」
言えば、恵美さんはクスクスと笑った。
「色春様は、飛鳥様が大好きでらっしゃいますね」
「え!?」
そういうつもりで言ったわけではないが、確かに飛鳥のことを意識していなければ寝間着なんてどれでもいいのだと気づく。かぁぁぁと急激に頬が火照ってしまったが、そんな私を見て恵美さんはクスクスと笑った。
大きなショッピングモールのある駅で降りる。恵美さんと私は、さっそく婦人服売り場へと向かった。
以前はもっぱらファストファッションの店にしか入らなかったが、今日はいつもよりは少し高いブティックに入った。店内を見ながら、可愛い寝間着を探す。
「色春様、こちらはいかがですか?」
恵美さんが手に持っていたのは、透け感のあるネグリジェだ。
「恵美さん、さすがにこれは……」
「そうですか? 飛鳥様と素敵な一夜をお過ごしになるのなら、こちらは最適だと――」
「そういうのはいいですから! 普通の! 普通の探しましょう!」
昨夜の情熱的な飛鳥のキスを思い出してしまい、顔が熱くなる。慌てて言うと、恵美さんはしぶしぶそれを棚に戻してくれた。
結局、もこもこ生地の、淡いピンクと白色の縞模様のパジャマを購入した。上はパーカー、下はショートパンツだ。今までグレーのスウェットしか持っていなかったから、これでもだいぶ恥ずかしい。
「可愛らしいですね。きっと飛鳥様もお喜びになりますよ」
「べ、別にそういうのいいですから!」
ニコニコしながら言う恵美さんに、思わず返した。