元令嬢は俺様御曹司に牙を剥く 〜最悪な運命の相手に執着されていたようです〜
食事が終わると、女将さんが料理を下げ甘味を持ってきてくれた。
「っていうか飛鳥、特許のこと知ってたの?」
女将さんが出ていったタイミングで切り出すと、飛鳥は「ああ」と短く答えた。
「何で私が知らないこと、みんな知ってんのよ」
ぼそっと呟いたのに、飛鳥は箸を止めずに答えてくれた。
「お前の伯母が、知られないようにしてたんだろ」
「え?」
「お前の両親が亡くなった時、この薬は国の承認がまだだった。お前が久恩山家に来て一年後、薬が国に承認されて販売できるようになった。伯母はそれに目をつけたんだよ」
「え、もしかして――」
まさかの伯母への疑惑に、胸がぞわっとする。
「お前と養子縁組を組んで、親権を得る。そうすればお前の代わりに特許使用料の手続きが出来るだろ。お前が特許の話を知らんってことは、お前のとこに入る金、きっと根こそぎあの伯母が持ってったんだろうな」
嘘でしょ。伯母さんに借金してると思ってたのに。
「そもそもおかしいと思わなかったのか? 忌み子だなんだって親戚中から嫌煙されてたお前を、一年経った後に急に引き取りたいだなんて」
言われてみれば、飛鳥の言う通りだ。子供なんて欲しくないとか、結婚願望もないと普段から言っていた未婚の伯母に、突然拾われたのはそういうことだったのかと、合点がいく。
確かに伯母さん、お金にがめついって、父方の親族からちょっと煙たがられてたもんなぁ。
「っていうか飛鳥、特許のこと知ってたの?」
女将さんが出ていったタイミングで切り出すと、飛鳥は「ああ」と短く答えた。
「何で私が知らないこと、みんな知ってんのよ」
ぼそっと呟いたのに、飛鳥は箸を止めずに答えてくれた。
「お前の伯母が、知られないようにしてたんだろ」
「え?」
「お前の両親が亡くなった時、この薬は国の承認がまだだった。お前が久恩山家に来て一年後、薬が国に承認されて販売できるようになった。伯母はそれに目をつけたんだよ」
「え、もしかして――」
まさかの伯母への疑惑に、胸がぞわっとする。
「お前と養子縁組を組んで、親権を得る。そうすればお前の代わりに特許使用料の手続きが出来るだろ。お前が特許の話を知らんってことは、お前のとこに入る金、きっと根こそぎあの伯母が持ってったんだろうな」
嘘でしょ。伯母さんに借金してると思ってたのに。
「そもそもおかしいと思わなかったのか? 忌み子だなんだって親戚中から嫌煙されてたお前を、一年経った後に急に引き取りたいだなんて」
言われてみれば、飛鳥の言う通りだ。子供なんて欲しくないとか、結婚願望もないと普段から言っていた未婚の伯母に、突然拾われたのはそういうことだったのかと、合点がいく。
確かに伯母さん、お金にがめついって、父方の親族からちょっと煙たがられてたもんなぁ。