総長様は可愛い義妹に永遠の愛を​​捧ぐ
ビリッ、と口元に貼り付けられたガムテープを剥がされ、ヒリヒリする唇を開いた。

「信じてたのに…っ、お兄ちゃんだって!みんな信じてたのに!仲間だって思って​───────…んっ」

「…そういうのはいいよ」

聞かなければよかった、とでもいうかのようにうんざりと言い放たれてまたあっけなくガムテープで口を封じられた。

直後思いっきり髪の毛を後ろに掴まれて頭に激痛が走る。

「んーーーっ!!」

無理矢理後ろに上体を逸らされ、間髪おかずにすぐにカチャン、という音が。

ヘルメットのような、よく分からない何かを頭に取り付けられたみたい。

それが重たくて、すぐに頭が地面に落ちる。

なにこれ……っ

怖くて怖くて今すぐここから逃げ出したいのに身体が言うことを聞いてくれない。

すると、耳元でまた不気味な声が落とされた。

「まほちゃんは記憶喪失、ってなったことある?」

不思議と彼の口元がニタリ、と不吉に笑っているような気がしてならなかった。

遅れて脳内に、今されたばかりの質問が流れ込んでくる。

記憶……喪失…

なんでそんなこと聞くんだろう。

意図の分からないその質問に私は重い頭を必死に横に振る。
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