総長様は可愛い義妹に永遠の愛を捧ぐ
「ぐすんっ……っ、ぐすんっ…」
「そんな泣かなくても大丈夫だよ。忘れてもちゃんと僕が1からしつけてあげるから」
やだ…ぁ、、お兄ちゃんがいい…っ!
ーーなぁ、まほ。俺が帰ってくるまでいい子で待ってたらさ
ーー結婚式ごっこやろうぜ
どうしよう…っ
ーーほんと!? やる!やりたい!
お兄ちゃん……っ
ーーん。約束な
ーーうんっ!!
お兄ちゃん……!!!
お兄ちゃん助け───────…
次の瞬間。
鈍器で思いっきり殴られたようなひどい衝撃が頭に走って、私は意識を手放した。
*
✧
꙳
「っ…」
目を開けると、灰色の天井が広がっていて横から男の人が顔を出した。
「おはよう」
陶器みたいな白くて綺麗な肌に、おっとりとした印象を残すタレ目の男の子。
口元にふんわり、と弧を描きながら横たわる私を見下ろしていた。
「ん…、あれ……私…」
ソファに寝かせられてたみたいで、ゆっくりと上半身を起こす。
ふいに部屋の中を見渡すと、ふかふかそうなベッドが1つ目に入る。
さらに視線を動かすと鉄格子で覆われた小さな窓が見えた。
そこからは明るい外の日差しが差し込んでいて、味気ない床をキラキラと照らしている。
「自分の名前、言える?」
そう尋ねられて、私は静かに記憶を辿った。
起きたばかりのまだボー、とする頭を必死に巡らす。
「な、まえ…」
……分からない。
自分がどこの誰で、何歳なのか、とか。
自分に関する手がかりが1つもなかった。
全部……
まっさら…
「そんな泣かなくても大丈夫だよ。忘れてもちゃんと僕が1からしつけてあげるから」
やだ…ぁ、、お兄ちゃんがいい…っ!
ーーなぁ、まほ。俺が帰ってくるまでいい子で待ってたらさ
ーー結婚式ごっこやろうぜ
どうしよう…っ
ーーほんと!? やる!やりたい!
お兄ちゃん……っ
ーーん。約束な
ーーうんっ!!
お兄ちゃん……!!!
お兄ちゃん助け───────…
次の瞬間。
鈍器で思いっきり殴られたようなひどい衝撃が頭に走って、私は意識を手放した。
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꙳
「っ…」
目を開けると、灰色の天井が広がっていて横から男の人が顔を出した。
「おはよう」
陶器みたいな白くて綺麗な肌に、おっとりとした印象を残すタレ目の男の子。
口元にふんわり、と弧を描きながら横たわる私を見下ろしていた。
「ん…、あれ……私…」
ソファに寝かせられてたみたいで、ゆっくりと上半身を起こす。
ふいに部屋の中を見渡すと、ふかふかそうなベッドが1つ目に入る。
さらに視線を動かすと鉄格子で覆われた小さな窓が見えた。
そこからは明るい外の日差しが差し込んでいて、味気ない床をキラキラと照らしている。
「自分の名前、言える?」
そう尋ねられて、私は静かに記憶を辿った。
起きたばかりのまだボー、とする頭を必死に巡らす。
「な、まえ…」
……分からない。
自分がどこの誰で、何歳なのか、とか。
自分に関する手がかりが1つもなかった。
全部……
まっさら…