総長様は可愛い義妹に永遠の愛を​​捧ぐ
*1ヶ月後*

『って!!なんでやねん!!』

膝を抱え込むようにしてソファに身を預けながら、私はテレビのバラエティ番組に夢中になっていた。

「あははっ…」

テレビ番組がCMに入ったタイミングで私は、ソファから腰を浮かせオレンジジュースを喉に流し込んだ。

冷たいひんやりとした感覚が胃の中に流れ込んでくるのを感じる。

「ぷはぁっ…おいしいっ」

今日はなんだか部屋の中が薄暗い気がする。

いつもならあの窓から太陽の光が入ってきてくれるのになぁ。

窓の外に視線を向けると、空には分厚い雲がかかっていた。

今日は朝からあいにくの雨。

太陽の日差しが1ミリもない日みたい。

「ふぁーあっ…。早く帰って来ないかなぁ」

あくびを1つ。

まだCM中のテレビを横目にソファにゴロンと横になる。

その時だった。

ガチャ…

あっ!帰ってきたっ!!

微かな玄関のドアが開いた音に私の胸は一気に踊り出した。

跳ねるように身体を起こして、玄関の方へと走っていく。

その勢いのまま、私は帰ってきたばかりの彼の胸に飛び込んだ。





「おかえり!​───────…久音くんっ!」
< 106 / 182 >

この作品をシェア

pagetop