総長様は可愛い義妹に永遠の愛を​​捧ぐ
まほ……??

「おい、響!あれ……!」

あとから別の人もやって来て。目を丸々にしながら私の姿を見つめた。

瞬間バチッ、と目が合う。

「まほ……っ」

彼もまた、私を見てそう呟いた。

わたし、のこと…???

後ろを見ても誰もいない。

いくら見渡しても少し向こうで久音くんが電話してるだけだった。

どう考えても2人とも私のことを‪”‬まほちゃん‪”‬って子と勘違い?してるみたい……。

「まほ!大丈夫か……!?」

初めましてなのに、急に沢山話しかけられて思わずズル…と後ずさってしまう。

「……」

「きあらちゃんも心配してるぞ…っ、一緒に帰​────」

「えっと…ごめんなさい…、多分人違いです…っ」

フェンス越しに、私はそう叫んだ。

「何言ってんだよ…っ、お前、まほだろ!?」

「ううんっ…、違うよ!私、沙奈だもん!」

「……」

……どうしてだろう。

私、何か変なこと言ったかな。

2人とも驚いたように私のこと見てる……。

​────と、その時。

「まほ!後ろ…っ!!!!」

え…っ?

「んっ……」

「まほ…!!」

背後から口元にハンカチを当てられて。かと思ったら視界が大きくグラン、と傾いた。

一気に身体の力が抜けて、倒れそうになったけどすぐに支えられた。

「……動かないで下さいね。三波さん。響さん」

薄れゆく意識の中……

「……まほを返せ」

話し声が聞こえたけど、上手く頭に入って来なくて、下がっていく瞼に抗えず目を閉じた。
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