総長様は可愛い義妹に永遠の愛を捧ぐ
#6 心の痛み
【響side】
『……………お兄ちゃん!起きないの??』
遠くの方で、そんな声が聞こえた気がして飛び起きた。
「はっ……、はぁっ…はぁっ…」
くそ…夢かよ……
散らかった家の中を見回して、俺は荒い呼吸を整えた。
時刻は朝4時を回ったばかり。
どうやら昨晩はリビングで寝落ちしてしまっていたみたいだった。
まほが失踪して、もう1年が経とうとしていた。
未だまほは帰ってこないまま。
俺の時間はずっと、止まったままだった。
俺の力だけじゃどうすること出来ず、あの後すぐ警察に行方不明者届けを出した。
でも何の手がかりもなく、捜索は直ぐに打ち切られ、自力で探そうにも、限度があり正直八方塞がりだった。
それでも、俺は探し続けていた。
***
「中野久音。俺らにはそう名乗ってたが、偽名だった」
その日。
三波が新しい情報を持ってきた。
警察は宛にならない。
俺たちは常に情報屋。探偵。ありとあらゆる場所に頼み、まほに関する手がかりを何か1つでも探していたのだ。
「偽名?」
「あぁ、本名は財前久音」
「財前……って…」
「あぁ、あの財前グループの御曹司」
『……………お兄ちゃん!起きないの??』
遠くの方で、そんな声が聞こえた気がして飛び起きた。
「はっ……、はぁっ…はぁっ…」
くそ…夢かよ……
散らかった家の中を見回して、俺は荒い呼吸を整えた。
時刻は朝4時を回ったばかり。
どうやら昨晩はリビングで寝落ちしてしまっていたみたいだった。
まほが失踪して、もう1年が経とうとしていた。
未だまほは帰ってこないまま。
俺の時間はずっと、止まったままだった。
俺の力だけじゃどうすること出来ず、あの後すぐ警察に行方不明者届けを出した。
でも何の手がかりもなく、捜索は直ぐに打ち切られ、自力で探そうにも、限度があり正直八方塞がりだった。
それでも、俺は探し続けていた。
***
「中野久音。俺らにはそう名乗ってたが、偽名だった」
その日。
三波が新しい情報を持ってきた。
警察は宛にならない。
俺たちは常に情報屋。探偵。ありとあらゆる場所に頼み、まほに関する手がかりを何か1つでも探していたのだ。
「偽名?」
「あぁ、本名は財前久音」
「財前……って…」
「あぁ、あの財前グループの御曹司」