総長様は可愛い義妹に永遠の愛を​​捧ぐ
***

「あ!?なんだと!?」

翌朝のこと。

私は久音くんの声で目が覚めた。

あくびをして寝ぼけ気味のまま部屋を見回すと久音くんがスマホ越しに怒鳴っているのが見える。

「どうしたの?」

電話を切って慌ただしく玄関に向かう久音くんに尋ねる。

「ちょっと出てくる。家で待ってて」

「あ、うん!分かった」

何があったかは分からないけど…

急用かな??

そのまま久音くんに手を振って見送った。

外からはミンミンンミンとせみの鳴き声がひっきりなしに聞こえてくる。

「ふぁ〜あ」

まだ眠いや…

もうちょっと寝よう。

まだ少しだけ温もりの残るベッドに戻って、布団にくるまる。

ん〜〜。

だんだんと眠気に覆われて、意識が遠のいていく…

その時だった。

ダンダンダン…!!!

「まほ!ここにいるのか!?」

ぱち、と目が覚めた。

激しく玄関ドアを叩く音と、久音くんのものじゃない、男の人の声が聞こえる。

「まほ!!おい…っ!まほ!!」

えっ…

何事!?

状況が掴めないまま、玄関の方に近寄る。

「まほ!いたら返事しろ!」
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