総長様は可愛い義妹に永遠の愛を捧ぐ
沙奈を奪われた恨みを発散するかのように人を殴り、殴り、そうすることで自分の心を殺した。
喧嘩はさほど強くはなかったが、金を積めば暴走族くらい立ち上げれた。
それが、”狂乱火”。
気を散らすにはうってつけだった。
でも、ある時。
”Tired Bear”との戦いに、うちは負けた。
初めて、最強だと思っていたものを奪われ、それは沙奈を突然奪われたあの時と似ている気がした。
失ったもの全部奪いたかった。
奪い返したかった。
殺したはずの心が…欲望が、どんどん溢れていくようで。
ーーはじめまして!中野久音です!僕ずっと響さんに憧れてて……っ
自分を偽って”Tired Bear”に、潜入した。
最初はただ、”Tired Bear”を潰せればいい、とだけ思っていた。
でも、まほちゃんが倉庫に来た時。
ーーお兄ちゃぁー…っ
ひどく懐かしい”お兄ちゃん”という言葉を耳にした時。
喉から手が出るほど。
欲しい、と思う自分がいた。
沙奈を取り戻したい、と。
またひとつ欲望が加速していった気がした。
その時。気付いたんだ。
僕は本当に欲しいものは……
沙奈なんだ、って。
暴走族なんてどうでもいい。
ただ、僕は……
また沙奈と生きたい───────。
喧嘩はさほど強くはなかったが、金を積めば暴走族くらい立ち上げれた。
それが、”狂乱火”。
気を散らすにはうってつけだった。
でも、ある時。
”Tired Bear”との戦いに、うちは負けた。
初めて、最強だと思っていたものを奪われ、それは沙奈を突然奪われたあの時と似ている気がした。
失ったもの全部奪いたかった。
奪い返したかった。
殺したはずの心が…欲望が、どんどん溢れていくようで。
ーーはじめまして!中野久音です!僕ずっと響さんに憧れてて……っ
自分を偽って”Tired Bear”に、潜入した。
最初はただ、”Tired Bear”を潰せればいい、とだけ思っていた。
でも、まほちゃんが倉庫に来た時。
ーーお兄ちゃぁー…っ
ひどく懐かしい”お兄ちゃん”という言葉を耳にした時。
喉から手が出るほど。
欲しい、と思う自分がいた。
沙奈を取り戻したい、と。
またひとつ欲望が加速していった気がした。
その時。気付いたんだ。
僕は本当に欲しいものは……
沙奈なんだ、って。
暴走族なんてどうでもいい。
ただ、僕は……
また沙奈と生きたい───────。