総長様は可愛い義妹に永遠の愛を捧ぐ
***
「ねぇねぇ」
「ん?」
病院前でタクシーを止めようと道路に向かって手を挙げている時。
まほが服の裾を引っ張ってきた。
「ん?」
今日はまほが退院する日。
当然だが、まほはもとより俺と住んでいた家に連れて帰る。
でも本人はそのことに少々不思議そうだった。
「私これから悪者さんの家で暮らすの?」
当たり前のように「そうだよ」と頷けば、「まほちゃんはいいの?」「振られちゃうよ?」などとわーわー言ってきた。
今まではのらりくらりとやり過ごしてきたこの手の質問だったが、このまままほの記憶が戻らなかったらこの先もずっと誤魔化し続けなければならないのだろうか?
なんて思いながらもまた曖昧にやり過ごす。
すると…
「もしかして私が一人ぼっちになっちゃって可哀想だから引き取ってくれるの?」
「違う」
その問いには間髪おかず、すぐに否定した。
「じゃあ…、なんで??」
そう言われると、代わりに言ってやれる理由なんか浮かんで来なくて口ごもってしまう。
お前の家は俺ん家なんだよ…。
お前の好きな奴は多分俺なんだよ…。
「んー…」
「ねぇねぇ」
「ん?」
病院前でタクシーを止めようと道路に向かって手を挙げている時。
まほが服の裾を引っ張ってきた。
「ん?」
今日はまほが退院する日。
当然だが、まほはもとより俺と住んでいた家に連れて帰る。
でも本人はそのことに少々不思議そうだった。
「私これから悪者さんの家で暮らすの?」
当たり前のように「そうだよ」と頷けば、「まほちゃんはいいの?」「振られちゃうよ?」などとわーわー言ってきた。
今まではのらりくらりとやり過ごしてきたこの手の質問だったが、このまままほの記憶が戻らなかったらこの先もずっと誤魔化し続けなければならないのだろうか?
なんて思いながらもまた曖昧にやり過ごす。
すると…
「もしかして私が一人ぼっちになっちゃって可哀想だから引き取ってくれるの?」
「違う」
その問いには間髪おかず、すぐに否定した。
「じゃあ…、なんで??」
そう言われると、代わりに言ってやれる理由なんか浮かんで来なくて口ごもってしまう。
お前の家は俺ん家なんだよ…。
お前の好きな奴は多分俺なんだよ…。
「んー…」