総長様は可愛い義妹に永遠の愛を​​捧ぐ
***

「あっ、三波くん!」

午後からはお兄ちゃんに連れられて倉庫に来ていた。

「あ、まほちゃん。調子どう? 記憶戻って良かったよー、ほんと」

「元気だよっ、毎日お兄ちゃんとキスしてる」

「おおっ、ほんとに元気じゃん」

「ちょっ、おい、まほ!毎日はしてないだろ!」

三波くんと喋ってたら横から顔を真っ赤にしたお兄ちゃんが割って入ってきた。

「えー、ほぼ毎日だよ!てかお兄ちゃん、記憶ない時の方がなんか優しくない?」

律儀に‪”‬沙奈ちゃん‪”‬って呼んでくれてたし。

なんか言葉遣いも丁寧だった気がする。

「お前……」

苦い顔するお兄ちゃんにぶつくさ文句をぶつけられた。

一時期は一生記憶戻らないかも、って不安だったけどきっとお兄ちゃんとの思い出が記憶を戻してくれたんだと思う。

愛があればどんな困難も乗り越えれる、的な??


それから下っ端さんとも久しぶりにお喋りした。

「総長、ずっと元気なかったんすからね〜。まほちゃん戻ってきてくれてマジ良かったっす」

1人がコソッとそう教えてくれた。

そう……だったんだ。

そういえば元気の無いお兄ちゃんって見たことないな……。

「まほ、そろそろ帰ろう」

「うんっ」

忘れてたとはいえ……、ずっと‪”‬悪者さん‪”‬とか呼んじゃってて申し訳ない気持ちになる。

「おい……!!あれ…」

「あいつ……」
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