総長様は可愛い義妹に永遠の愛を​​捧ぐ
あー、やっと解放された。

一息ついて逃げるようにさっさと部屋から出ようとした時、聞き逃しそうなほど小さな声が俺の鼓膜を掠めた。

「………ぷ…りん…、ごめ…………ね…」

寝言かと思ったが、振り返ると女の目は開いていた。

布団から頭だけひょこっと出して、こっちを見ている。

「…はんぶんこ…っ。しよって…言えばよかっ…た…っ」

布団越しにでも女の身体が小刻みに震えているのが分かった。

「ごめっ…、ねっ……、ごめ…ね………」

涙を一生懸命堪えるようにぎゅぅ…、と唇を噛んでいた。


​​────なんでか、分からない。


はんぶんこ、ってなんだよ…。

そう思う傍ら…

女のその姿に、なぜか俺の心はズキズキと音を立てていた。

どういう…顛末でそういう結論に至ったのかどうか。

全くもって分からない。

でも多分この時。

俺は生まれて初めて…、


‪”‬反省‪‪”‬ ‬ というものをしたんだと思う。


‪”‬あんなに怒ることはなかったんじゃないか‪”‬


ふと。

そういう気持ちに駆られた。





「俺こそ……、……………ごめん」
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