総長様は可愛い義妹に永遠の愛を​​捧ぐ
肩上までの栗色の髪の毛が太陽の光に綺麗に反射している。

「別に」

「えぇ〜…、でも大人になったみたいじゃない!?」

「早く靴履け」

セーラー服がよっぽど嬉しいんだろう。

意味もなく、くるっと回ったりしていた。

そして一昨日ショッピングセンターで親父に買ってもらったばかりのピカピカのローファーに足を突っ込むなり、テンションはさらに上がり、今度はぴょんぴょんとジャンプしだした。

「こら。転んでも知らないぞ」

家の鍵をかけながら注意する。その時だった。

「きゃっ…」

「あ、おい!」

玄関先の段差に躓き、倒れかけていたので慌てて抱き寄せる。

言わんこっちゃない。

「怪我してないか?」

目をぱちくりさせながら胸の中にすっぽり収まるまほに尋ねるが

「へへっ……、してない! ありがとっ」

すぐにリスのようにタタタタッ!と小走りで俺から離れていった。

まほが家にやってきた当初。

だいぶまほの存在を拒んでいた俺だったけど、今となっては割と受け入れていた。

***

「本日は私たちのために、このような盛大な式を挙行していただき誠にありがとうございます​────…」

あー、またこっち見てるよ…まほの奴。

式の最中。

何度も保護者席にいる俺の方を気にしてチラチラ見てきたまほ。
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