総長様は可愛い義妹に永遠の愛を​​捧ぐ
あ。とうとう手振ったし。

前を向け!前を!

パイセンに目ぇ付けられても知らねぇぞ。

シッシッ!と払うとやっと前を向いた。

他の新入生はロボットのように1ミリも動いてないから余計まほの動きが目立っていた。

「あの人かっこいいわねぇ…」

「ほんと。誰のお父さんかしら」

「うちの子と同じくクラスだったら授業参観とかでまた会えるかしら」

「え、でもお父さんにしては若くない?」

その時。

背後からそんなコソコソ話が聞こえてきてふと気になった。

…そんなイケメンがいるのか。

興味本位で後ろを振り向くとおはさま達の視線が他の誰でもない俺に集まっていた。

「え、俺すか?」

***

「お兄ちゃぁーん」

入学式が終わるとまほが、俺の姿を発見するなり全速力で走ってきた。

「あのね!先生がまほちゃんのお兄ちゃんかっこいいねって」

「あっそ」

それにしてもさっきはおばさま達に色々聞かれて大変だった…。

『モデルとかやってるの!?』とかその手の質問ばっか。

まぁ?…悪い気はしねぇけどさ。

俺ってそんなかっこよかったんだな〜。

「お兄ちゃん!撮ってー!」
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