総長様は可愛い義妹に永遠の愛を​​捧ぐ
少しばかり浮かれているとまほが校門前に設置された入学式の立て看板の隣で手招きして俺を呼んでいた。

今朝まほの写真撮ってこい、って親父に言われてるし撮ってやるか。

渋々スマホを取り出して、入学式中は切っていたスマホの電源を入れると三波から着信が入っていた。

…なんだ?

「早くー!!」

「ん、はいチーズ」

適当に1枚だけ撮って三波にかけ直す。

『あ、響、狂乱火(きょうらんか)について情報屋がまた新しい情報持ってきたんだよ』

用件はどうやら最近うちを狙っている、と噂の族、狂乱火の件についてだった。

『今どこ? ちょっとあとで倉庫来て欲しいんだけど』

「あっ、まほちゃんのお兄さん!是非とも旦那のモデル事務所に…」

『あ?モデル?』

タイミング悪くさっきのおばさま軍団の1人が声を掛けてきた。

「あ、いや!?なんでもねぇよ」

『いや、今確かにモデルがどうって聞こえーー』

「じゃあ、あとで行くな、バイバイ」

強引に電話を切った直後。

「お兄ちゃん。お腹すいた」

そう言ってまほが俺の服の袖を引っ張ってきた。

あー、そうだ。こいついるんだった。

今日は入学式が終われば帰宅らしい。

給食もないし、倉庫行くのは家帰ってこいつに飯食わせてからだな。
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