総長様は可愛い義妹に永遠の愛を​​捧ぐ
命令してしばらくすると、腕を後ろで組まされた女が連れられて来た。

「痛い…っ、離してっ……」

暴れているのを制すようにコンクリートの地面に伏せられる女。

「ぅっ…」

「おい、お前。狂乱火の人間か?」

押さえ付けられ、ひざまずく女の前でしゃがんで目線を合わせながら、尋ねる。

すると俯いていた女の顔が、バッ!と上がり、目が合った。

「……はっ!!お前……っ!!!」

つい変な声が漏れてしまう。

目をうるうるさせて、下唇を噛んで、今にも泣き出しそうな顔をしているそいつは…

「お兄ちゃぁー…っ」

​──​─────────…まほだった。

「「お兄ちゃん?」」

その場にいた全員の声がピタリと揃う。

「総長。お知り合いですか」

「あ、いや、知り合いというかなんていうか、まぁ…一旦離してやれ……」

「はい!」

拘束が解かれたまほはムクっと起き上がって、俺に抱きついた。

「お兄ちゃーんっ」

「お前!家で待ってろ、って言っただろうが!」

「あ。響、もしかしてその子…」

三波が何か察したように、声を発する。

「あぁ、うん、前言った親父が勝手に引き取ってきたっていう…子供……」

渋々説明する。

あー!もう!!

なんで、こいつはいつも俺の言うこと聞けないんだ!

「え、まじ!?なんだー、にぃにのあとついて来ちゃったのー?」
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