総長様は可愛い義妹に永遠の愛を​​捧ぐ
【まほside】

新しい家での暮らしにもだいぶ慣れてきて、最初は絶対仲良くなれないと思っていたお兄ちゃんとも、今では仲良しになった。

と、いってもお兄ちゃんはいつもツンツンしてるけど。

でも孝宏さんがお仕事でいない時なんかは、私のご飯を作ってくれたりしてくれて、実は優しい。

前もお兄ちゃんの溜まり場? っていう倉庫に行った時、ちょっと怖い感じの男の人がいっぱいいたけど見かけによらずみんないい人で、楽しかったなー。

久音くんって人には

『僕、お兄さんに憧れさせて頂いていて、妹さんにお会いできるなんて光栄です!』

って、すごく頭を下げられて、その時もしかしてお兄ちゃんって外では超モテモテ!? って思っちゃった。

まぁ、あの日はもう二度とついてくんなよって家でめっちゃ怒られたけど。


パパが死んじゃって寂しくて寂しくて、新しい環境に不安もあったけど、今は毎日すごく楽しい。

でも、時々。

悲しい夢を見ることがある。

それはあの日のこと。

『お父さんで間違いありませんか?』

…身元確認、って言うらしい。

警察の人にそう尋ねられて、私はゆっくりと頷いた。

目の前には、白い布を顔まで被せられたパパがいた。

『パパ…』
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