総長様は可愛い義妹に永遠の愛を​​捧ぐ
キーコーンカーンコーン

「ねね、さっきの問題分かったー?」

「無理ー、うち全然分かんない」

「週末、カラオケ行かない!?」

「え、行きたい!行こ行こ!」

授業が終わると一斉に賑やかになる教室。

机に散らばった筆記用具を筆箱にしまいながら私は自分の机でそんなクラスメイト達の様子を気にしていた。

このクラスには私と同じ小学校から来た子はあまり居なくて入学式の日から他校同士でもう輪が出来てた。

極度の人見知りであまり自分からは声を掛けられていなかった為、いつの間にか完全に孤立してしまった私。

でもやっぱり移動教室の時も、休み時間も友達とお話したいな……。

カバンの中をゴソゴソといじるフリして誰かに話しかけるチャンスを伺ってみる。

その時だった。

「ねぇねぇ、先週のプチキュア観た!?」

もち(もちろん)!」

教室後方でロッカーにもたれながら話す女子5人からプチキュアの話題が出ていた。

あっ!私も観てる!

いいなー。お話したいなー。

でも、やっぱり初対面は緊張する……。

「あ、ねぇねぇ、じゃあプチキュアごっこする!?」

「いーじゃんー!やろやろー!じゃあうちピンクー!」

「あっ、あのっ……」

勇気を出して椅子を引いて立ち上がり、声をかけた。

「私も​───────…」
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