総長様は可愛い義妹に永遠の愛を​​捧ぐ
「おーい、響ー。お前電話鳴ってね?」

「え?」

三波の声で我に返ると、ポケットでスマホが鳴っていた。

「あ、ほんとだ」

一瞬またサツか?と思うが、違った。

「…はい」

『あ、もしもし、桜ヶ丘東中学の者ですが、星川まほちゃんのお兄様のお電話でお間違いなかったでしょうか?』

「そうっすけど」

時刻はまだ11時過ぎだった。

こんな時間に一体なんの用だよ。

『あのー、本日もし可能でしたら、お迎えに来て頂けないでしょうか?』

「は…?」

『実はまほちゃんさっき泣いちゃって…、おうち帰るって言ってるんですよ〜…』

「泣いた?」

***

すぐに中学に行くと、ちょうど校内は給食の準備をしているところで、陽気な音楽が流れていた。

「私もその場にいなかったもので、詳しいことは分からないのですが、どうやら休み時間にお友達と喧嘩? しちゃったみたいで…、輪の中に入れてもらえなかったのかな…?」

保健室に案内されると、養護教諭の先生からそう説明を受けた。

…ったく、女子特有のやつか。

「まほちゃーん、お兄ちゃん来てくれたよ〜」

白いカーテンで仕切られたベッドを覗くと、布団にくるまって、目を真っ赤にしたまほがいた。

あ。なんかブスッとしてる。

「おいー、喧嘩くらいで泣くなよー」
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