総長様は可愛い義妹に永遠の愛を​​捧ぐ
「なんかぁ〜、あたしのおにいちゃんが言ってたんだけど〜、まほちゃんって養子でしょ?」

「あっ、うんっ…、パパの友達のとこに…」

言い終わらないうちにきあらちゃんが言った。

「それってぇ〜、まほちゃんだけ血、繋がってないってことでしょ〜?可哀想〜。しかもさぁ〜…」

きあらちゃんは急に小声になって、周りにいた子達にヒソヒソと耳打ちした。

「まほちゃんち暴走族の人いるんだってぇ〜」

私に聞こえないようにしているつもりかもしれなかったけど、丸聞こえだった。

「え、マジ!?こっわ〜」

「一緒にいたら襲われちゃうかも〜、てかプチキュア5人だからうちらでいっぱいー。ごめんねー」

口々に怖いとか危ないって言葉が聞こえてきた。

「お兄ちゃん、優しいよっ…」

そんなふうに思ってほしくなくてそう口を挟んだけど、全然聞き耳を持ってくれなかった。

「やだ〜ぁ、こっわ〜いっ!!」

「てかそういう関係って、いつ捨てられてもおかしくないよ〜」

そこでチャイムが鳴って、休み時間が終わってしまった。

クラスメイトが一斉に着席していく中、私はその場から動けなくなった。

‪”‬いつ捨てられてもおかしくないよ〜‪”‬

きあらちゃんが放ったそんな声が頭の中でガンガン響いて、涙が込み上げてきた。
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