総長様は可愛い義妹に永遠の愛を​​捧ぐ
教室で泣くと注目の的になっちゃう…。

そう思って、1滴溢れ落ちる前に慌てて教室を飛び出した。

保健室に反射的に駆け込んで、ベッドに潜り込んだ。

「まほちゃん〜、どうしたの〜?」

「………おうち帰るっ…」

わがまま言ってるって分かってたけど、無性にお兄ちゃんに会いたくなった。

「その、きあらちゃん? にハブられたのか?」

「……」

言えなかった。

「何されたのか言ってみろって」

…本当のことなんてとても言えなかった。

「………プチキュアは5人だからだめだって言われたの」

考えたことなかった。

捨てられるかも、なんて。

急に不安になって、食べる気になれなくて、ソファに戻ってクッションを握りしめた。

…友達欲しかっただけなのにな。

あっ…。

孝宏さんも仕事で、お兄ちゃんも学校……

わがまま言って、学校休ませてもらったんだもん。

今日の晩御飯は作ってあげたいな。

***

いつもお兄ちゃんがやってるようにガチャ、と家の鍵を閉める。

「出るな、って言われてるけどちょっとだけだしいいよねっ」

少し前に孝宏さんにもらったお小遣いを持って、家を出た。

家から15分所のとこにスーパーがあったはずだから、そこに行こうとしていたのだ。

1人で買い物ってはじめてでなんか緊張…

前、お兄ちゃんと喧嘩して家飛びちゃった時はこの辺の土地のことよく分かんなくて、迷子になっちゃったけど、もう大丈夫なはず!
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