総長様は可愛い義妹に永遠の愛を​​捧ぐ
*数分後*

「あれーー…、確かこっちにあった気がしたんだけどなー」

角を曲がって、曲がって、道に迷った。

「なんでー、前お兄ちゃんと行った時は絶対絶対ここにあったはずなのにー」

辺りをキョロキョロ見回してみるけど、全然見慣れない景色が広がっていて、なんだか焦る。

誰かに聞こうかなぁ。そんな考えがよぎった時だった。

「お嬢ちゃーん」と声を掛けられ、振り返れば男の子が5人くらいいた。

私の顔を見るなり、その中の1人がハッとした表情になり、口を開く。

「あ、こいつ……俺、この前星川と一緒に歩いてるとこ見たっすよ」

「マジ? まさかあいつ、こんな子供に手出したのか?」

「あははっ、ウケるー」

「てかちょうどいいじゃん」

「俺らさー、星川には散々ひどい目に合わされてきて参ってんだよね〜」

「おっ、お兄ちゃんを悪く言わないで!」

急に怖くなって、後ずさりながら震える声を出した。

「ぷっ、え? お兄ちゃん? まさかこいつ星川の妹?」

「え、あいつ妹いた?」

「知らね。でもそれはそれでいい脅しの種にはなりそーじゃん」
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