総長様は可愛い義妹に永遠の愛を​​捧ぐ
それから、まほは涙を流しながらゆっくりと口を開いた。

「怖い……私だけ血、繋がってないから捨てられちゃったら……どうしよ、って…、ぐすん…っ、また…っ、ひとりぼっちになったらどうしよ、って……っ、ひっく…っ、怖くなっちゃった…」

その時。

まほがいつもうなされていた理由が分かった気がした。

さっき戯言のように言っていた‪”‬おうち‪”‬ってのは、多分…

まほが前、父親と住んでいた家のことだろう。

ーー((まほちゃんだって、早くにお父さん亡くして、いきなり1人になって……。悲しくない訳ないんだよ))

いつも笑ってて、平気そうで能天気そうだったから、気付いてやれていなかった。

本当は強がっているところもあったのかもしれない。

ちょっとの弾みで、こうやって爆発して、溢れて、大きい不安が押し寄せてくるぐらい……、

重いものを……背負ってる…。

……そうだよな。

こんなちっこいのに。

いきなりこの世界に1人で放り出されて。

……平気なはず…、ないのにな。

ちゃんと考えれば分かることなのにな。

こいつは、まだ全然……父親の死なんて、受け入れていない。

まだ、頭の中ぐちゃぐちゃして、と散らかってんのに。

必死に…新しい環境に馴染もうとして……

そうだ。

こいつはまだ……

12歳だ。
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