総長様は可愛い義妹に永遠の愛を​​捧ぐ
もしかしてお兄ちゃん…、私というものがありながらこの一瞬できあらちゃんのことが好きになっちゃったんじゃ…

そしてこの授業参観を利用してナンパしようとしてるんじゃ……なんて不安が過ぎる。

「…」

固唾を飲んで、その異様な光景を見守っていると…

「いつもうちのまほと仲良くしてくれて、ありがとう」

お兄ちゃんはそう言った。

「えっ?」

きあらちゃんはキョトンとしていた。

そりゃそうだ。

きあらちゃんは私と仲良くするどころか、意地悪してきた張本人だ。

「これからも仲良くしてやってくれると嬉しいな」

畳み掛けるようにそう言ったところで、チャイムが鳴って、授業参観が始まった。

早退したあの日以来、きあらちゃんとの仲は超険悪。

嫌い!って思ってたし、この子となんか絶対仲良くしない!もう2度とお話ししない!って、心に誓って学校に通ってたんだけど…

授業参観の翌日。

きあらちゃんは私に謝ってきた。

「この前は意地なこと言ってごめんね……」

「…」

謝られても絶対許さない!

そう思って、黙りこくっていたけど、きあらちゃんは教えてくれた。

「私のママ。半年前に男作って家出てったの」
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