総長様は可愛い義妹に永遠の愛を​​捧ぐ
お兄ちゃんはそんなこと一言も言わないけど、きっとそう。

さりげない優しさに、いっつも救われてる。

…本当のお兄ちゃんは靴同様靴下もその辺にポンポン脱ぎ散らかして、ソファでゴロンするようなタイプだけど。

「響様しか勝たん…!!」

きあらちゃんよっぽどお兄ちゃんのこと気に入ってるんだなぁ…。

結婚するのは私だよってもう一回念押ししといた方がいいかなぁ。

「おっ、おおお、お邪魔します……!!」

「ゆっくりしててってね」

ふんわりと口角を上げて、きあらちゃんを見たお兄ちゃん。

偽りの姿だってことは分かってる。

でも…

「ひやあああ……っっ!!っもう!ほんっとうにかっこいい!!」

きあらちゃんほどきゃーきゃーは騒がないけど、やっぱりかっこよくて見惚れてしまう自分がいる。

ダラダラして気、抜きまくりのお兄ちゃんも好きだけど、私にも日頃からあんなふうに笑いかけてほしいよー。

購入したブラジャーはお兄ちゃんに見つからないようにこっそりと自分の部屋に運んだ。

いざと言う時以外は大切に保管しておかないと!

「きあらちゃん、1問も解いてないじゃんー」

先に宿題を終わらそうってことになってやってたんだけど、やっぱりきあらちゃんはキッチンにいるお兄ちゃんに夢中の様子。

「だって、今拝んでおかないと!一体いつ拝むのよ!」
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