総長様は可愛い義妹に永遠の愛を​​捧ぐ
#4 幸せ
【響side】

カーテンの隙間から朝日が差し込んでいる。

セミの鳴き声もうっすらと聞こえてくる。

むしむしとした暑苦しい気温の中、目が覚めると俺の身体は金縛りにあったかのように身動きを封じられていた。

身体が重い。

なにか乗ってる。

​────まほだ。

俺より目が覚めるのなんて珍しい。

まほは、さっきからなにやらゴソゴソしていた。

なんか嫌な予感がして、俺は目を開けないまま待機中。

その時。

「…っ」

突然だった。

首筋に唇…?だろうか。柔らかいものが当たって、身体がこわばる。

なにやってんだ、こいつっ!!

そして今度は…

かぷ!

噛み付いて来やがった。

「…っ」

くっ…

なんとか耐え、寝ているフリをするが…

ちゅーっ

吸血鬼のように吸われてしまい、とうとうダメだった。

「んっ…」

くそっ…

つい、腑抜けた声を出してしまって、しまった、と思う。

やべぇ…

バレたかな。

恐る恐る目を開けてみる。

バチ…!

うわ、目合った。

開いたまぶたの先でまほとガッツリ目が合ってしまって焦る。

けど多分まほも焦っていた。
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