総長様は可愛い義妹に永遠の愛を​​捧ぐ
「そういえば、この前まほちゃんすごい喜んでたぞ?」

「喜んでた? てかまほに会ったのかよ?」

「あー。学校帰り?かな。友達と一緒に公園いたからさー。声かけたんだよ」

きあらちゃんか。

「へー。で。なんて喜んでたんだよ?」

「大きくなったらお兄ちゃんと結婚するんだって」

「ゴホッ、ゴホッ!!」

三波の口からその件が出てくるなんて思ってなくて、俺は飲んでいた水で見事にむせた。

あいつっ…、よりにもよって三波に…。

やたらめったら言いふらすんじゃねぇよ!!

と、怒りもあったが情けないことに、

そんなに言いふらしたくほど嬉しかったのかよ…

とも思って、簡単に許せてしまう自分もいた。

「可愛いよなぁー。まほちゃん。うぶでさ、なんか守りたく感じあるよなぁ〜」

どうやら三波は冗談だと受け取っていたみたいだ。

守りたくなる感じ…

そこは大いに共感していたが、

「そうか?」

クールに返した。

これは決してツンデレ、とかいうやつではない。

男としてのプライドがあるだけだ。

その時だった。

「あの!星川先輩!」

緊張しい声が掛けられて、目を向けるとそこには華奢な女が1人。
< 74 / 182 >

この作品をシェア

pagetop