総長様は可愛い義妹に永遠の愛を​​捧ぐ
視線をキョロキョロとさまよわせながら立っていた。多分1年生だ。

「なに」

ぶっきらぼうに返す。

学校での俺はいつもこう。

三波以外とは基本一切口を聞かないスタンスだ。

女は言った。

「土曜日の夏祭り…っ、一緒に行きませんか!」

夏祭り?

あ、そういえば一昨日まほがクラスのみんなで行く、ってめっちゃ喜んでたやつだ。

最初の頃はきあらちゃん嫌い!なんて言って、
早退&ズル休みするレベルにいたまほ。

なかなかクラスに馴染めてないみたいだったから、誘われたことがよっぽど嬉しかったんだろう。

女子ってこういう祭り好きだよなぁ。

でも…これは……、

「私ずっと星川先輩のこと…っ、その…っ」

よくわかんねぇけど…

好意から、誘ってくれる、ぽい…?

「あー、わりぃ。ちょっと予定あって」

「そっ、そうですか…っ、突然すみませんでした!」

言い終わらぬうちに遮って、断った。

どっちにとってもそうした方がいいと思った。

「あれ1年だよな? せっかく勇気出して誘ってくれたんだから行ってやればいいのに」

「いや、自分で言うのもなんだけどさ、あれ絶対俺のこと好きだろ…」

「だろうな」

「変に期待させたってしょうがない気がする。それに…」

「それに?」

言いかけた言葉を慌てて飲み込んだ。
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