総長様は可愛い義妹に永遠の愛を​​捧ぐ
点滴のおかげか、それからだいぶ顔色が良くなったまほ。

やっと俺の存在に気づいたらしい。

か細く掠れた声で口を開いたかと思ったら、俺の方に手を伸ばした。

今にも折れそうなその手を握ってやると、

「うまれてきてくれて…ありがと…っ」

朧気にそう言って、ニコッ、と笑った。

「なんだよ……突然」

「だいすき…ぃ、せかいでいちばんだいすきっ……すきすぎてねっ…たまにむねがくるしくなっちゃうの、ぎゅーって。てへへっ」

バクン……!!!

「ぅっ……」

心臓がやたら大きく脈打つ。

…………なんて可愛いこと言うんだよ。

「おに…ちゃ…も……まほのことすき、って…いって…っ??」

「…っ」

なんだこの羞恥プレイは……!!

「まだ…っ、いわれたことないもん…」

あ…

言われてみればそうかもしれない。

言う隙ないくらいまほが俺に好き好き言ってくるってのもあるけど。

でもまぁ…

今日ぐらい素直になってやるか…

「お…、俺もまほのこと…、す…、好き…だよ」

予定よりもだいぶぎこちなくなってしまったが、言い終わり、まほの様子をチラリと伺う。

スースー…

寝てんじゃねぇか…っ!!!

まほは気持ちよさそうに瞼を伏せて、無防備に眠っていた。

なんだよ…
せっかく言ってやったっていうのに…。
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