総長様は可愛い義妹に永遠の愛を​​捧ぐ
「そうそう。創設メンバーより把握してるってすげぇよなー。あいつよっぽど響のことが好きなんだなー」

「で。当の久音は?」

姿が見当たらない。

最近はまほのことでいっぱいだったから、俺は倉庫に顔を出す頻度が激減していた。

三波とは学校で会うが、そういえば久音とはしばらく会っていないな。

「もうすぐ来るんじゃね?」

三波がそう答えたところで倉庫の扉が開いて、複数の紙袋を両手に抱えた久音が慌ただしい足音でこちらに走ってきた。

「遅れてすみません!」

「ほら。きたきた」

「響さん!!ご無沙汰しております!!」

「あー、だな」

急いで来たのか膝に手をついて息を整える久音。

手に持っていた紙袋をドラム缶の上に置いた。

「これ!良かったら召し上がってください!!」

「?」

「え、なになにー」

三波が一際はしゃいで紙袋に近付く。

中を確認するなり、驚いたように叫んだ。

「え!まじで買ってきたの!?」

「もちろんです!」

なんの話だ?

「はい!響さんにはこれ!いつもありがとうございます!」

そう言って久音が俺の目の前に差し出したのは、プリンだった。
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