総長様は可愛い義妹に永遠の愛を​​捧ぐ
ここで食べる雰囲気だが、俺は貰ったばかりのプリンを紙袋に戻し、久音に尋ねる。

「これ、持って帰っていいか」

「はい!大丈夫ですよっ」

「なんだよ、響。ここで食べねぇの?」

「あぁ」

ーー…はんぶんこ…っ。しよって…言えばよかっ…た…っ

家帰ってまほと半分こしよ。

あの時、健気に弱っこく謝ってきたまほの姿がよぎってそう思った。

「わり、まほ家で待たせててさ。心配だからもう行くな」

1つのプリンが入った紙袋を持って倉庫を後にした。

夏だから陽が落ちるのは遅いが、今日は1日天気が悪かったからか、もう辺りはすっかり薄暗くなっていた。

街の街頭もチラホラと点灯し始めている。

まほ、喜ぶかな。

ーーうんっ!すっごく美味しかった!口に入れたらぶわーっ!って甘いのが広がって……っ

あの時感想聞いたらすげぇ美味しそうに語ってたもんな。

あれ…

家の鍵を開けて中に入ろうとした時だった。

「開いてる…」

鍵は閉めて出て行ったはずなのになぜか家の鍵は開いていた。

なんで…

まさかあいつ…、外に出たんじゃ……っ
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