総長様は可愛い義妹に永遠の愛を​​捧ぐ
でも…、

まほのがいつも履いてる靴は無防備に玄関に放られていた。

どこかに…出掛けたわけではなさそうだった。

いや、出掛けたにしても部屋中がこんな荒らされてるなんておかしい。

もう1度探そうと、リビングに向かおうとした時だった。

ぷー

何かを踏んづけてしまったらしくて、呑気な音が静かな部屋にこだました。

「…………」


ーーくたくたくまさんと待ってるねっ


ポタ……と、涙が静かに床に落ちた。


結局。

どれだけ探してもまほの姿はなくて。

まるで神隠しにでもあったかのように。

まほは忽然と姿を消した。

こんな散らかして何やってんだよ……

くたくたくまさんせっかくあげたのに、何ほっぽり出してんだよ……

なんて文句をぶつけることはなく、

その日から、どれだけ待っても

















まほが家に帰ってくることはなかった​​───────。
< 98 / 182 >

この作品をシェア

pagetop