揺蕩ふままに
*
「レイは将来何になりたいの」
身体を引き寄せて、男は私に問いかけてきた。
素肌が触れ合う。それだけで泣きそうになるのは、彼との別れを無意識のうちに考えていたからかもしれない。
死ぬと、すべてなくなる。
このぬくもりも、きっと彼からは感じられなくなってしまう。
言葉も、においも、表情も、視線も。
この先、同じものを感じることはできなくなるのだ。
「……大人になれるかな、私」
「そーか。そこからか」
「うん、」
時間は止まらず流れてゆく。
待ってくれない世界の中で、私は歳を重ねていかなくてはならない。
─────生きているかぎりは。
「俺たちが今見てる星の光は、ずっと昔の光なんだと」
「ずっと昔って?」
「そりゃずっと昔だろ。とにかく、俺たちが生まれるよりずっと前だよ」
「なにそれ」
意味のない、適当な会話だけを垂れ流す。
しばしの沈黙がおとずれて、自然と夜空を見上げていた。
「レイは将来何になりたいの」
身体を引き寄せて、男は私に問いかけてきた。
素肌が触れ合う。それだけで泣きそうになるのは、彼との別れを無意識のうちに考えていたからかもしれない。
死ぬと、すべてなくなる。
このぬくもりも、きっと彼からは感じられなくなってしまう。
言葉も、においも、表情も、視線も。
この先、同じものを感じることはできなくなるのだ。
「……大人になれるかな、私」
「そーか。そこからか」
「うん、」
時間は止まらず流れてゆく。
待ってくれない世界の中で、私は歳を重ねていかなくてはならない。
─────生きているかぎりは。
「俺たちが今見てる星の光は、ずっと昔の光なんだと」
「ずっと昔って?」
「そりゃずっと昔だろ。とにかく、俺たちが生まれるよりずっと前だよ」
「なにそれ」
意味のない、適当な会話だけを垂れ流す。
しばしの沈黙がおとずれて、自然と夜空を見上げていた。