初恋相手の第2ボタン
「たしかに。あともう少しで、満開になるはずだったのになあ、ちょっと残念かも」
ほんと、ちょっとだけ残念。記念になると思ったのに。
「でもさ、ほら、入学式には満開になりそうじゃん?高校生になるんだしさ、うちら」
そう、彩奈が言う通り、私たちは、4月から高校生になる。
「同じ高校、受かってよかったよね」
この頭の悪さで、よく受かったなって思う私。
「猛勉強したからね、ふたりで。咲華、よく頑張ってたよ」
「もう、あんなに勉強できないなぁ」
乗っていたブランコを降りて、そう言いながら、私は背伸びをした。
勉強できないんじゃなくて、やらないだけなのかもしれないけど、勉強あんまり得意じゃない。
公式とか覚えられない。
「そろそろ行こっか」
彩奈が、そう言うと、私たちは学校へと向かい出した。