初恋相手の第2ボタン
恥ずかしい、みんな見てるよ。

恭弥と撮れる人なんて、いないよ。

あんなに優しかった恭弥は、今じゃ女の子たちを泣かしてばっかり。

なんで?あんなに優しかったじゃん。

「じゃあ撮るよー!いい?」

お母さんは、カメラをもう一度構えた。

「咲華、俺のこと嫌いになったでしょ」

恭弥は、二人にしか聞こえない声量で言ってきた。

「なってない!」

大声で答えてしまった。お母さんにも聞こえる声量で。

「準備できてないー?」

「そうじゃないからー!こっちの話!」

驚かせること言わないでよ。違うのに。

「じゃあ撮るよー!はいチーズ」

気まず…。こんなに気まずい写真撮影初めて。

ぎこちない笑顔で、多分引きつってたと思う。

恭弥、誰にもあげないのかな。

「恭弥くん、ありがとね、咲華と写真撮ってくれて。高校少し遠いところ行くんだってね、咲華から聞いたよ」

私から言ったって言わないでよ。
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