「恋愛ごっこ」をして過去に上書きしてみませんか?
第1話 歌っていると過去が忘れられる!
僕は歌が好きだ。カラオケが大好きだ。歌の世界に入って空想の世界で自由に生きられる。歌うとストレス発散して疲れがとれる。辛い過去が忘れられる!
僕は中田紘一、バツイチで5歳の男の子の父親だ。月に一回息抜きのために一人でこのペンションいや民宿へ来て、夕食後はいつもラウンジで歌っている。
ここの民宿は70歳代の夫婦が経営している。部屋は和室だがベッドを置いている。先代から譲りうけたとき、布団の上げ下ろしが大変なのでベッドに変えたそうだ。ベッドは大きめのダブルサイズで二人でも十分寝られる大きさがある。僕はこの大きくてよく眠れるベッドが気に入っている。
ここのラウンジは防音が効いていて、かなり大きな声で歌っていても各部屋には聞こえない。部屋は2階の4室だけだ。
ラウンジにはバーのカウンターがあって止まり木が4脚、大きな壁かけテレビ、カラオケ設備が整っている。元々カラオケが好きなオーナー夫妻が作った部屋だという。こじんまりしていて落ち着て歌える。
「オーナー、いつもの歌を歌ってくれませんか?」
『さよならをするために』はオーナーが好きな歌で、一度歌っているのを聞いてから好きになった。自分でも歌えるようになったが、オーナーの方がずっと上手だ。オーナーから言われたことがある。
「中田さん、歌う時はその歌の世界に入って主人公になって歌うんです。そうすると聞き手にもそれが伝わるんです」
それ以来、歌がうまくなった気がする。自分でも歌の世界に没入できる。現実のすべてが忘れられる。オーナーの次に僕が一曲歌ったところで後片づけを終えたママさんがラウンジに入ってきた。オーナー夫妻はこのラウンジでお客さんと話すのが好きだと言っていた。
聞き上手で、僕も身の上話や世間話をよくしている。それにドリンクも割安だ。オーナーはウイスキーが好きで種類もそろえている。僕はオーナーが勧めてくれたジョニ黒が好きになっていつもロックか水割りを飲んでいる。
「中田さん、新しい曲を仕入れてきましたか? 若い人は時代について行って新曲も仕入れないとね。ここは最新の曲も入れていますから」
「僕はもうそんなに若くないし、新しい曲は早口の曲が多いのでとても歌えない。ママはどうなの?」
「私は若いころの70年代の曲が好きなの。思い出の歌ばかりだから。でも新しい曲も聞くのは好きよ。このごろの若い人の気持ちが分かるから。でもやっぱり歌えないわね」
「僕はどちらかというとスローな曲がいいけど。オーナーが歌う昔の曲に良い歌が多くて、好きになってレパートリーに加えさせてもらっています」
「主人は70年代のニューミュージックが好きだけど、私はそれもいいけど女性の演歌も好きです」
「僕もママさんの歌う演歌も好きです。すごく情感が籠っていて」
「僕も演歌は歌えるよ。でもニューミュージックの方が心情にあっていてね」
「気が若いだけなのにね」
「ところで中田さんは毎月最終火曜日にここへ来ているけど、その曜日ときめているの?」
「きめているという訳ではありませんが、火曜日にしているのは、土日は子供とできるだけ一緒に過ごしてやりたいし、ウイークデイでも午後は休みがとれますので、ここがすいていそうなこの曜日にしています。ここでおいしいものを食べて歌って1泊するとリフレッシュできて次の1カ月元気で働けますから。自分へのご褒美です」
「来月は最終水曜日に来てみませんか? 中田さんと境遇が似ている方がいらっしゃって、その方も歌とお酒がお好きなのでお話しが合うかもしれないと思って」
「そうですか? そういう方がおられるのであれば、水曜でも良いので都合がつけば来たいですね。帰って予定を調べて予約を入れます」
僕は中田紘一、バツイチで5歳の男の子の父親だ。月に一回息抜きのために一人でこのペンションいや民宿へ来て、夕食後はいつもラウンジで歌っている。
ここの民宿は70歳代の夫婦が経営している。部屋は和室だがベッドを置いている。先代から譲りうけたとき、布団の上げ下ろしが大変なのでベッドに変えたそうだ。ベッドは大きめのダブルサイズで二人でも十分寝られる大きさがある。僕はこの大きくてよく眠れるベッドが気に入っている。
ここのラウンジは防音が効いていて、かなり大きな声で歌っていても各部屋には聞こえない。部屋は2階の4室だけだ。
ラウンジにはバーのカウンターがあって止まり木が4脚、大きな壁かけテレビ、カラオケ設備が整っている。元々カラオケが好きなオーナー夫妻が作った部屋だという。こじんまりしていて落ち着て歌える。
「オーナー、いつもの歌を歌ってくれませんか?」
『さよならをするために』はオーナーが好きな歌で、一度歌っているのを聞いてから好きになった。自分でも歌えるようになったが、オーナーの方がずっと上手だ。オーナーから言われたことがある。
「中田さん、歌う時はその歌の世界に入って主人公になって歌うんです。そうすると聞き手にもそれが伝わるんです」
それ以来、歌がうまくなった気がする。自分でも歌の世界に没入できる。現実のすべてが忘れられる。オーナーの次に僕が一曲歌ったところで後片づけを終えたママさんがラウンジに入ってきた。オーナー夫妻はこのラウンジでお客さんと話すのが好きだと言っていた。
聞き上手で、僕も身の上話や世間話をよくしている。それにドリンクも割安だ。オーナーはウイスキーが好きで種類もそろえている。僕はオーナーが勧めてくれたジョニ黒が好きになっていつもロックか水割りを飲んでいる。
「中田さん、新しい曲を仕入れてきましたか? 若い人は時代について行って新曲も仕入れないとね。ここは最新の曲も入れていますから」
「僕はもうそんなに若くないし、新しい曲は早口の曲が多いのでとても歌えない。ママはどうなの?」
「私は若いころの70年代の曲が好きなの。思い出の歌ばかりだから。でも新しい曲も聞くのは好きよ。このごろの若い人の気持ちが分かるから。でもやっぱり歌えないわね」
「僕はどちらかというとスローな曲がいいけど。オーナーが歌う昔の曲に良い歌が多くて、好きになってレパートリーに加えさせてもらっています」
「主人は70年代のニューミュージックが好きだけど、私はそれもいいけど女性の演歌も好きです」
「僕もママさんの歌う演歌も好きです。すごく情感が籠っていて」
「僕も演歌は歌えるよ。でもニューミュージックの方が心情にあっていてね」
「気が若いだけなのにね」
「ところで中田さんは毎月最終火曜日にここへ来ているけど、その曜日ときめているの?」
「きめているという訳ではありませんが、火曜日にしているのは、土日は子供とできるだけ一緒に過ごしてやりたいし、ウイークデイでも午後は休みがとれますので、ここがすいていそうなこの曜日にしています。ここでおいしいものを食べて歌って1泊するとリフレッシュできて次の1カ月元気で働けますから。自分へのご褒美です」
「来月は最終水曜日に来てみませんか? 中田さんと境遇が似ている方がいらっしゃって、その方も歌とお酒がお好きなのでお話しが合うかもしれないと思って」
「そうですか? そういう方がおられるのであれば、水曜でも良いので都合がつけば来たいですね。帰って予定を調べて予約を入れます」
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